遺品整理と生前整理の違いは?注意点やメリット・デメリットを解説
歳を重ねるにつれて、老後や自分の死後のことなどに関する多くの不安が出てくるものです。また、ある程度の年齢に達すると「遺品整理」や「生前整理」について考えることもあるのではないでしょうか。そこで本記事では、遺品整理と生前整理の違いについて解説します。生前整理を行うメリットやデメリット、進め方についてもお伝えするので、ぜひ最後までご覧ください。
この記事を読むための時間:3分
遺品整理とは
遺品整理とは、故人が生前に使用していたものや大切にしていたもの、思い出の品などを整理整頓することです。基本的に、遺品整理は相続人が行います。物が少ない場合や協力する人手が多い場合には自分たちで行うこともできますが、遺品専門業者に依頼することも可能です。
生前整理とは
生前整理とは、自分の人生の終わりに向け、身の回りの財産や物などを整理することです。とはいえ、生前整理はネガティブな意味合いではなく、自分の半生を振り返ったり本当に必要なものを見極めたりするための、大切な機会でもあります。
具体的には、不用品の処分や貴重品の確認、エンディングノートや財産目録の作成などを行います。遺品整理は、相続人を中心とする遺族が行うのに対し、生前整理は自分自身で行う点が大きな違いです。
生前整理を行うメリット
ここからは、生前整理を行うメリットをご紹介します。
遺品整理の手間をかけずに済む
自分の死後は、誰しも遺族に迷惑をかけたくないものです。生きている間に身の回りの整理整頓を行っておけば、配偶者や、子供たち、兄弟姉妹などの精神的・肉体的負担軽減してあげられるでしょう。また、亡くなった後の判断に自分自身の意思を反映させたい場合にも、生前整理を行なっておくと良いでしょう。
相続トラブルを防げる
相続関係や財産をめぐって、家族間でトラブルになることも珍しくありません。財産をきちんと整理して明確にしておき、資産内容を見直しておけば、相続トラブルのリスクを軽減させることができます。生前に遺言書などを用意しておき、自分自身の意思や希望を明確に示しておきましょう。
整理整頓ができて快適に
生きているうちに身の回りの整理整頓を済ませることで、残りの人生を快適に過ごすことができます。心にもゆとりを得られるため、充実した余生を送れるでしょう。「何かきっかけがないと物を捨てられない」とお悩みの方にも、生前整理はおすすめです。
生前整理を行うデメリット
生前整理を行うデメリットをご紹介します。
使うものは捨てられない
遺品整理であれば、今後本人のために使用するものはほとんどないため、たくさんのものを捨てることができます。しかし生前整理においては、実際に今後も使用する物が多いため、思い切って捨てられないのが現実です。自分にとって必要なものと不要なものを改めて見直すことで、自分自身の本質に近付けるかもしれません。
時間と労力が必要
生前整理を行うためには、時間と労力がかかります。身の回りのものを全て見直すためには、数週間あるいは数ヶ月ほどの時間がかかることもあるでしょう。仕事や家事の合間を縫いながら、生前整理を行うことは、簡単なことではありません。ご自身で行うのが難しい場合は、専門業者に依頼するのがおすすめです。
生前整理の進め方
ここからは、生前整理の進め方を大まかにお伝えします。
「必要なもの」と「不要なもの」に分ける
まずは、身の回りのものを、必要なものと不要なものに分けましょう。自分がどのくらいのものを所持しているかを確認し、今後使うかどうかを基準にして分けていきます。
仕分けた荷物を処分する
必要でないものが出たら、ゴミに出すものや、売却するものなどに仕分けをして処分しましょう。処分すべきものが多い場合は、業者に自宅に引き取りに来てもらうのも1つの方法です。
財産目録を作る
財産目録を作成することで、財産の書類を可視化できるため、遺族の調べる手間を省くことができます。目に見える財産はもちろん、暗号資産や各種ポイント、電子マネー、ネット銀行に関わる情報などのデジタル遺産も、忘れずに整理しておきましょう。
インターネット上で管理されているデジタル遺産は、データを残さなければ、遺族から見つけてもらうことができません。暗証番号やロックの解除方法についても、財産目録やエンディングノートに、しっかり記載しておいてください。
遺言書の作成
エンディングノートを利用して遺言を残すのも1つの方法ですが、エンディングノートには法的な拘束力がありません。自分の残す財産について強い希望がある場合には、公証役場に出向いて遺言書を作成しておきましょう。
生前整理をしておけば、遺品整理の負担が少なく済む!
本記事では、遺品整理と生前整理の違いについて解説しました。生前整理を済ませておけば、遺族の精神的な負担や遺品整理の手間を大幅に減らすことができます。身の回りを整頓しておくことは、生きているうちにも大きなメリットがあるため、ぜひ検討してみましょう。
次の記事へ
一軒家の遺品整理 費用はどれくらい? »